残雪の入笠山と南ア展望 '96春

 

 予定通り、4/27〜28と入笠山へ行ってきました。入笠山といえば、『展望の山旅』の巻頭展望図&パノラマ写真であまりにも有 名であります。諏訪湖の南東、南アルプスの北の前衛にあります。

1.林道

 私は師匠とともにクルマで向かいました。中央自動車道諏訪南ICから富士見 町の林道を登ります。ゴンパパさんが行ってゲートが閉まっていたのも、この道 でしょうか。途中のゲートはもちろん開いていました。標高を上げるに連つれ、 ところどころ道端に雪が残っています。目的地のマナスル山荘手前の三叉路まで 全線舗装。入笠山頂上はもうすぐそこでした(^^;

2.マナスル山荘

 天文台のドームが目印です。1時に到着してしまったので部屋に入れませんで したが、おばちゃんが「お茶でも飲んでけばいいがね」と、野沢菜付きでお茶を 出してくださいました。夜の食事は大変素晴らしい!なんと、フキノトウやタラ の芽の天ぷらまで出ました。あと自家製ワインとか、なんとかシメジとか、ソバ の実入りナメコとか、杏もありましたね。 部屋には豆炭ゴタツがあって、窓からは八ヶ岳が正面に見えました。といって も木々の間にですが。なかなか良かったです。通年営業だそうですし、すぐ前に 入笠山スキー場もありますので、冬場もいいかもしれません。

3.入笠山からの展望

 山荘から山頂までは30分とかかりません。とはいえ、今回は登山道に残雪が 豊富で、しかも固くなって滑りやすい状態でした。山スキー用の伸縮ストックを 持っていったのでコケずにすみましたが、師匠は下りで1回コケました(^^;

 山頂は樹木が無い視界360度の世界。さすがに雪もありません。展望盤もあ ります。しかしこの時期の空気はかすんでいて、遠方は見えません。それでも、 目前の八ヶ岳連峰や蓼科山はバッチリ。八ツの裾野の広さが実感できます。南ア は特徴的な甲斐駒と鋸岳。右には仙丈岳がまだまだ白いです。その間に間ノ岳。 甲斐駒の左には鳳凰山。右へ目をやると、中央アルプスがかすんでいます。乗鞍 岳と穂高連峰もかろうじて確認できます。 この素晴らしい展望台。時期さえ選んで行けば、大展望に巡り合えること間違 いなしでしょう!これから花の季節になっていくらしいです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

展望】赤石岳(大鹿村より)

 入笠山から、いきなり大鹿村へジャンプします(^^;
 中央構造線に沿って南下。途中、甲斐駒や仙丈岳の展望を得ながら大鹿村まで たどりつきました。一昨年も同じ時期に訪れていますが、今年はちょうど桜が満開でした。前回は 赤石岳の全貌を見られず悔しい思いをしたのですが、今回は違います!小渋川を 渡る橋から、川の上流の谷の先に見えるのは、あまりにも巨大な赤石岳です!!  小渋川のV字の谷の真ん中に、白く幅広な山がそびえています。上高地から見 る穂高のように、それよりも距離は遠いけれど、まぎれもなくアルプスと呼ぶに ふさわしい姿。我々はクルマを近くに停め、しばし橋の上からその景観を堪能し ていました。山の展望バンザイという気分でした(^^)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

展望】聖岳・上河内岳(エコーライン)

 さらに南下。地蔵峠から蛇洞林道を経て、しらびそ高原まで行ってしまいます。

1.しらびそ高原

 私自身は3度目。しかし前回とは大きく様変わりしていました。そこには、あ の「しらびそ山荘」はなく、ハイカラな「ハイランドしらびそ」なるホテルがあ ります。そう、展望風呂で一時話題になりましたね。クルマも人も多く、静かな山荘での思い出がもはや過去のものになってしまっ た感があります。それを寂しいと思うのは、私のわがままでしょうか(^^;

2.エコーライン

 私の大好きな林道ですが、この美しい名に騙されてはいけません。とんでもな い悪路の山道です。しらびそ高原と下栗集落を結ぶこの道は、展望ファンには溜 息の出そうな絶景のルートですが・・・。

 しらびそ高原では兎岳の後ろに少しだけピークを見せる聖岳も、この道を南下 するにつれ、三角錐の姿を現してきます。右には上河内岳が遮るものなく大きく 見えます。そして深田百名山の光岳へと続き、池口岳のとんがりも特徴的です。 聖岳の左には、荒川前岳や大沢岳。深い深い谷の向こうに、これらの山が比較的 近い距離で展開している様は圧巻です。

 日本のチロルと呼ばれる下栗からは、聖岳が守り神か何かのように見下ろして いるようです。ちょうど桜が散り初めの頃。桜の木の下でコーヒーを沸かし、今 回の展望旅のフィナーレにふさわしい景色をしばし楽しみました(^^)

 

 ホームへ