初めてのしらびそ高原 ’93秋

 

 南信州のしらびそ高原。南アルプス西側前衛に位置し、南アルプス南部の展望台として有名です。私がそこを初めて訪れたのは、1993年の秋のことでした。その記憶を呼び戻してみます。(2000.6.10記述)

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 その日、山師匠のクルマ、ランドクルーザ40に乗り、私と職場の同僚と合わせて三人で信州に向かいました。目的地しらびそ高原は、伊那山地と南アルプスの間に位置し、南信州の上村(かみむら)にあります。上村に入るのには、飯田側からですと伊那山地を越えなくてはなりません。これがまず大変な道程で、細い山道を登り、赤石隧道(トンネル)を抜けます。トンネルを出ると正面には南アルプス南部の池口岳が見えました。


赤石隧道出口から見た池口岳方面

 そこからは、同じような山道の下り一辺倒で、やがて建物の並ぶ上村の中心部に入ります。そこから今度は川に沿って北上していくと、しらびそ高原方面への右分岐が現れます。これがまたクネクネの山道(でも村道)。かなり高度を上げたところで、まず、しらびそ峠に到着します。すると、南アルプスの峰々が目に飛び込んできました。


しらびそ峠から南アルプスを望む

 峠からしらびそ高原まではもうすぐです。高原は広く運動場のようになった場所で、東端にはしらびそ山荘が建っており、あとは森林鉄道が展示されていたりします。西端には少し小高い丘があって、展望台になっています。そこに行ってみると、さきほど峠から見た南アルプスの峰々がさらに広く見渡せました。左(北)から、荒川岳、大沢岳、兎岳、その背後に聖岳、上河内岳、光岳、など。


荒川岳


兎岳と聖岳


光岳


色づくナナカマド

 秋晴れの空の下、ナナカマドがきれいに色づき始めていました。南アルプス南部は奥深く、これほど間近に展望できるクルマで行けるような場所はそう多くはありません。なかなかいいポイントを見つけたなというのが、正直な感想でした。そして、しらびそ山荘にでも泊まってゆっくり来られればと思いました。

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 結局その後、しらびそ高原には二度訪れています。一度はしらびそ山荘に二泊してののんびり旅。ところが、今はそのしらびそ山荘も無く、ハイランドしらびそというホテルが建ち、道路やキャンプ場もかなり整備されています。「三遠信自動車道」建設の手始めとして、東側からは矢筈トンネルが、南側からは草木トンネルが通じ、上村へは随分アクセスし易くなっています。もはや赤石隧道を越えて行こうなどという人は稀でしょう。アウトドアブームの中、多くの人が訪れる場所になりつつあるようです。

(終わり)

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