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白華について


 白華
用語の意味
 タイルやブロックの目地に生ずる白い綿状の吹出物あるいは斑点を白華という
 呼び名;エフロレッセンス、鼻たれあるいは略してエフロともいう。
メカニズム
 白華部分を化学的に分析すると、水に不溶な炭酸カルシウム( C a C O 3 ) である。 
 コンクリートは硬化する過程で、水とセメントが反応し含水ケイ酸カルシウムが形成され、同時に多量の水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)ができる。
 この水酸化カルシウムが水に溶解し、炭酸ガス(CO2)と反応すると水に不溶の炭酸カルシウムへと変化する。
 コンクリートが乾燥すると、コンクリート中の余剰水に溶解したこの水酸化カルシウムが、余剰水と共にコンクリート表面に移行
し、余剰水が蒸発して表 面に水酸化カルシウムが残存する。この水酸化カルシウムは、すみやかに炭酸ガス( C O 2) を吸収
し、水に不溶な炭酸カルシウムへと変わる。初期 で発生する白華現象は、このメカニズムによるものが多く、これを第一次白華
と呼んでいる。
 コンクリート内に雨や結露による新たな水が浸透すると、この水酸化カルシウムを溶解し、上記のメカニズムにより表面に白華
現象を生ずることがあ  る。比較的長期材齢で発生するこの白華現象を、第二次白華という。


 対策
@ 第一次白華の抑制対策
 コンクリート中の余剰水の表面への移行を少なくする対策としては、単位水量をできるだけ小さく抑えること、およびコンクリート
表面の急激な乾燥を避 けること等が上げられる。ワーカビリチーが損なわれない範囲で、単位水量が少なくなるよう使用材料お
よび配合を決定し、ブリージングの少ないコン クリートとするのがよい。また、湿度や風の影響により、初期材齢においてコンク
リート表面が急激に乾燥しないよう、十分に湿潤養生を行うのがよい。 この場合、湿潤養生を終えた直後においても、表面の急
激な乾燥を避ける必要がある
 コンクリート製品などでは、コンクリート成形後にビニルシートやプラスチックフィルムでコンクリートを覆うだけで、急激な乾燥が
避けられ、白華現象を  抑制できる場合もある

A 第二次白華の抑制対策
 第二次白華は、比較的長期の材齢において、雨や結露がコンクリートに浸透して生ずる現象であり、この白華を防止すること
は難しいが、基本的には 第一次白華の生じにくいコンクリートを用いることにより、ほぼ抑制することができる

B 白華の除去
 白華は、コンクリート表面に炭酸カルシウムあるいはその他の塩が堆積したものであり、比較的容易に取り除くことができる。
白華は、アルカリ生成物 であることより、酸で洗うことにより除去できるが、強い酸で洗うとコンクリート自体が損傷を受けるので
注意が必要である。一般的には、1 対10より薄 くなるよう希釈した塩酸が使われるが、酢などを水に溶かした弱酸性の水溶液
を用いてもよい。白華を酸で洗う場合には、事前に水で洗い、コンクリー ト表面の小穴を水で満たしておくことにより、酸が直接
コンクリート中に浸透するのを防ぎ、水溶性塩の形で新たに発生する白華を防止するのがよい。 その後、酸性の水溶液を用い
て軽くブラッシングし、15〜 30秒待ってから、多量の水で再び洗い落とす。
 白華は除去しなくても時間とともに、水溶性の炭酸水素カルシウムとなり、
 雨 で流されて消える。しかし、自然に白華が消えるまでの期間は、気象・環境条件によって異なるが、2 年以上かかることが
多い。



炭酸カルシウム(たんさんカルシウム、calcium carbonate)は、組成式 CaCO3 で表されるカルシウムの炭酸塩である。 貝殻や
サンゴの骨格、石灰岩、大理石、鍾乳石、白亜(チョーク)の主成分  

含水ケイ酸カルシウム
一般に「セメント」とは「ポルトランドセメント」を意味し、この名称はセメントが硬化した後の風合いがイギリスのポートランド島で採
れるポルトランド石(Portland limestone)に似ている事から名称が付いた。ポルトランドセメントの主原料は石灰石、粘土、珪石及
び鉄原料であり、これら原料の混合物を高温で焼成する事により中間製品であるクリンカができる。このクリンカに含まれる鉱物
組成がセメントの性質を左右するため、セメント製造工程ではクリンカ鉱物組成の管理が行われている。クリンカを構成する鉱物
は@ ケイ酸三カルシウム(エーライト:3CaO・SiO2)
A ケイ酸二カルシウム(ビーライト:2CaO・SiO2)
B カルシウムアルミネート(アルミネート:3CaO・Al2O3)
C カルシウムアルミノフェライト(フェライト:4CaO・Al2O3・Fe2O3)が主要成分である。エーライト、ビーライト、アルミネート及びフェ
ライトは「クリンカ」と称する中間製品として製造される。すなわち酸化カルシウム(CaO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム
(Al2O3)及び酸化鉄(Fe2O3)がクリンカの主要化学成分である

水酸化カルシウム(すいさんかカルシウム、Calcium hydroxide)は、化学式 Ca(OH)2 で表されるカルシウムの水酸化物。消石
灰(しょうせっかい)とも呼ばれる。グラウンドなどに白線を引くラインパウダーによく用いられる

ワーカビリチー
材料分離を生じることなく、運搬、打込み、締固め、仕上げなどの作業が容易にできる程度を表すフレッシュコンクリートの性質。

ブリーディングとは、コンクリート打設後に重い材料(石や砂やセメント)は下に沈み、軽い水が表面に上がって来る現象です。

レイタンスとは、フレッシュコンクリート中のセメントの主に石灰石よりなる微粒子や骨材の微粒分が、ブリーディング水(ブリージ
ング水)とともにコンクリートの上面に上昇して堆積した、多孔質で脆弱な泥膜層のこと。必要以上の加水が行われた場合には
特に発生しやすい。
ジャンカは、コンクリートの打設不良の事例の一つ。締め固め不足やセメントと砂利の分離、また型枠下端からのセメントペースト
の漏れにより空隙ができ強度が下がり、脆くなっている状態を言う。




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