政策実行計画(マニフェスト)


今回、三たび多治見市長選挙に立候補するにあたり、政策実行計画(マニフェスト)を発表します。
これは、私の「公約」を具体的に実行するための指標であり、市民の皆さんに「公約」を分かりやすい形で示すものです。


 
  マニフェストの発表にあたって  
 
1.マニフェストとはどういうものか

 一般に、マニフェストとは「政策要綱」と呼ばれています。選挙において政治家や政党が掲げる公約を、いつまでに取り組むのかという期間や数値目標などを示したものです。

  従来の公約があいまいな表現であり有権者にとって分かりにくいことから、こうしたマニフェストの取組が様々な形で始まっています。

  私は、このマニフェストを分かりやすい形で示すため、「政策実行計画」という名前を付け今回、発表することとしました。


2.なぜ、政策実行計画(マニフェスト)を作るのか

  私は、8年間にわたり市長として市政を担当させていただき、その間、積極的な市民参加を進めてきましたが、参加の前提である情報公開も徹底して進めてきました。

  それは、分かりやすい予算書や決算書といった形での冊子や、職員による市の取組みを紹介した書籍の出版などをはじめとして、市民の皆さんに分かりやすく市政の現状を理解していただくことです。

  そうした中で、漠然としたものでしたが、「公約が今までのままで良いのか。」と考えていたところ、マニフェストについて一部の研究者や新聞等で取り上げられているのを目にし、今回立候補するにあたり「政策実行計画」(マニフェスト)を公表することとしました。

  このことは、これまでの私の市政における取組から考えて当然しなければならないことと思っています。


3.総合計画を基本とした政策実行計画(マニフェスト)をつくる

  多治見市では、現在第5次の総合計画を推進しています。その施策は、市のホームページで基本構想・基本計画のみならず実施計画までが公開されており、実施計画には、年度別 の事業内容・目標(数値を含む)・経費及び財源内訳が記載されています。したがって、総合計画の具体的内容は、どなたでもホームページでより具体的にご覧いただくことができ、多治見市の課題を把握することができます。

  私は、8年間の政策の取組を基本として総合計画の実施計画を定めていますので、今回の「政策実行計画」は、当然のことですがこの実施計画を更に進めるものとしています。


 




 
  政策実行計画(マニフェスト)の内容  

1.目指すべき多治見市のビジョン
    ■地方分権の時代を見据えて持続可能な地域社会を創ります。
2.二つの大きな政策に取組む
  (1) 市民が安心感を得られる政策
    ■福祉・保健・医療政策
    ■定住化対策(住宅対策)
    ■交通対策
    ■防 災
    ■環 境
    ■学び・人権
(2)多治見を元気にする政策
    ■しごと(産業・雇用=活力)
    ■つながり(交流・連携)
3.地方分権時代の行政づくり
  (1)行政の改革を進める
(2)合併への取組
4.政策実行計画を進めるための財源確保
5.政策実行計画の変更について
 



 
  1.目指すべき多治見市のビジョン  

地方分権の時代を見据えて持続可能な地域社会を創ります。

 この目指すビジョンは、次の3つの問題を考える中から捉えたもので、これからの地域社会を創っていくために考えなければいけない課題です。

(1)地球環境が悪化する中で、環境を保護しながら地域が持続的に発展していくしくみを創ることがことが必要です。

(2)近い将来に、総人口が減少して少子化・高齢化が進んでいく中で、地域の経済・社会が発展するしくみを創ることが求められています。

(3)国・地方を通じた財政危機や今の経済情勢が続くことが予想される中で、独自の政策や市民生活の安定のために、財政的にも自立していくことが求められています。
 



 
  2.二つの大きな政策に取組む  

 目指すべき多治見市のビジョンを実現するために、市民が安心感を得られる政策の実現を目指します。そして、その実現には、多治見を元気にする政策が必要です。私は、この2つの政策を次の具体的な施策・事業を進める中で実現していきます。


(1) 市民が安心感を得られる政策

くらし(生活=安心・安全)
 福祉・保健・医療政策
具体的事業 4年間の目標 4年間の費用 必要なお金
 高齢者需要を踏まえた施策の再構築(高齢に伴う福祉施策需要予測調査の続行) 
独居老人見守活動。
在宅ケアサービス。
高齢者保健福祉計画調査。
ケアハウス整備補助。
在宅訪問実施。
支援センター1ヶ所以上整備。
ケアハウスは90人程度受入れ目標。
3億円 一般財源 1.7億
その他  1.3億
 新市民病院建設と市民病院の機能見直し
県病院との役割分担を明確にし、移転新築を前提とした用地選定を行う。
少子高齢化対応科の充実。
将来の移転新築のために場所の選定を行う。
生活習慣病・予防医学関連科充実。
- -
 子育て支援の充実(保育の多様化、学童保育、子育て支援センター)
子育て支援センター設置。
3歳未満児保育の充実。
一時保育、延長保育充実。
放課後児童クラブ充実。
ほほえみカウンセラー設置。
センター1ヶ所以上新設。
未満児約300人へ。
一時保育2園、延長保育7園へ。
放課後児童クラブ9ヶ所へ。
カウンセラー全小・中学校に配置。
6億 一般財源 2億円
その他  4億円
 少子化対策基本計画の策定
少子化を迎える中で、総合的な政策推進のため、計画を策定し、実行していく。(既存施策の再検討及び再構築) 16〜17年度において計画を策定する。 700万円 一般財源700万円
 障害児・障害者の生活の質の向上
統合教育推進。
障害児保育、統合教育実施。
小規模授産施設支援。
障害児通園事業。
幼稚園障害児担当9名配置。
障害児保育45人へ。
新規委託1ヶ所以上。
なかよし療育センター、100人受入れ。
3.7億円 一般財源 3億円
その他 7千万円
 定住化対策(住宅対策)
少子高齢化に伴う人口減少への懸念に対応するため、人口の定着化をはかるとともに恒常的な人口流入を促進する魅力的・高品質なまちづくり(定住促進・誘導)や年齢による居住環境選択が可能なまちにする。
市営住宅改築。
特優賃(高齢者向け)助成。高齢者住宅資金補助。
風景づくり団体助成。
国京団地48戸。
特優賃80戸/年助成へ。
高齢者住宅資金補助。
風景づくり、5団体/年の助成。
18.5億

国京団地分17億
全体事業費36億
一般財源 2.8億円
その他 15.7億円
 交通 対策
 道路網整備と道路の機能の分離(外環状・内環状道路整備など)
248南バイパス関連道路整備。
音羽・明和線(太平町)。
248多治見バイパス整備。
まちなかの狭隘道路整備。
南バイパス関連10ヶ所程度整備。
音羽・明和160m。
248バイパス市施工分700m。
狭隘道路整備着手(15年度)。
21.7億円 一般財源 9億円
その他 12.7億円
 公共交通機関の利用による移動対策の推進
 幼年者・小・中・高校生、障害者、後期高齢者対象の循環交通 (コミュニティバス、 コミュニティタクシー)
コミュニティバスの運行。
福祉バスの見直し。
バス問題研究会の検討によりコミュニティハ ゙ス試行、15年度実施。 1.4億円 一般財源1.2億円
その他 2千万円
 防 災
 水防対策(ハード・ソフト)を進める
ポンプ場整備。
河川護岸整備。
重点地区監視システム維持管理。
笠原川右岸、土岐川左岸ポンプ場。
護岸整備。
監視カメラ8ヶ所。
42億円 一般財源 2.7億
その他 39.3億
 震災初動・応急・復旧体制の確立
消防水利施設新設。
造水器設置。
防災倉庫新設。
消防団の新設。
橋りょう改良(耐震)。
急傾斜地崩壊対策。
消防水利施設8ヶ所。
造水器4ヶ所。
倉庫4ヶ所。
消防団ポンプ車1台。
橋りょう8ヶ所。
急傾斜地2ヶ所。
2.5億円 一般財源1.2億円
その他 1.3億円
 環 境
 循環型社会システム構想の推進(新焼却場完成に伴う体制づくり、バイオマスなど生 ごみ対策、新処分場の建設)
生ごみ堆肥化。
最終処分場整備。
リサイクルプラザ整備。
分別の推進、ごみ減量化。
美化監視員制度の創設。
堆肥化センター16年開設。
処分場15年内に候補地決定。
リサイクルプラザ1ヶ所17年度に開設。
監視員による不法投棄監視。
24億円  

全体事業費 は、42億円
一般財源 7億円
その他  17億円
 一般 廃棄物埋立税の有効活用
太陽光発電助成、公共施設の緑化推進、リサイクル技術支援、などの施策。 太陽光発電補助。
資源再利用研究。
食用廃油利用研究。
リサイクル技術支援。
生ごみバイオマス化研究。
2億円 その他 2億円
 公園・緑地の整備
公園愛護会補助。
小泉公園整備。
公園・公共施設緑化。
街路樹整備。
水辺環境整備。
自然公園整備。
緑化推進事業。
愛護会130公園程度。
小泉公園ワークショップによる市民参加。
公園・公共施設20ヶ所程度。
街路樹年50本以上植栽。
自然公園、喜多町・滝呂町の2ヶ所。
緑化推進、民有地・鉄道軸で実施。
11.6億円 一般財源3.4億円
その他 8.2億円
 学び・人権
 分権型教育、市民参加型教育の実施
学校教育を地域が主体となって経営するシステムの検討、実施 コミュニティスクールを平成18年度までに1校で実施。 - -
 学校開放、教室転用による地域の活動拠点づくりの推進
小中学校バリアフリー化。
学校特別教室の開放。
余裕教室転用。
プール・テニスコートの開放。
バリアフリー化12校で実施。
特別教室年7校 。
余裕教室年8校。
プール全校。
テニスコート10校開放(4年間で)
1.7億円 一般財源1.7億円
 男女共同参画条例の制定・子どもの権利条例の制定
男女共同参画に向けたセミナー・サロンの開催。
共同参画条例制定。子どもの権利条例の制定。
共同参画条例、16年度制定。
子どもの権利条例、15年度制定。
1.6千万円 一般財源1.6千万円


(2) 多治見を元気にする政策

しごと(産業・雇用=活力)
具体的事業 4年間の目標 4年間の費用 必要なお金
 陶磁器産業の質的転換をはかる・国際陶芸アカデミー構想の推進 
 デザイン重視、人材育成、第3次産業化、情報発信、大量生産型産業からの脱却
文化工房・PRセンター。
美濃焼PR、広域観光PR。
意匠研究所の人材育成(やきもの講座・研究コース新設)
文化工房、PRセンター年1万人以上の集客。
PR誌年5回発行。
意匠研専門コース5人。
講座8回/年。
4億円 一般財源3.5億円
その他 5千万円
 新産業の育成、誘致・情報産業化 
新産業の育成(環境、福祉、IT関連産業、コミュニティビジネス{市民サービス型産業}公共事業の民営化)、情報インフラの整備、産官学の連携、IT技術、コミュニティ・データ・センター(CDC)の活用、ビジネスインキュベータ(BI)の立ち上げ、研修機能の設
起業家セミナー。
企業立地促進PR。
BI施設整備
講座年1回開催、HP等でPR。
BI施設1ヶ所設置、16年度。
企業優遇制度による補助。
2.4億円 一般財源5千万円
その他 1.9億円
 ビジターズ産業おこし 
 オリベストリート(本町・市之倉)の推進 オリベストリート構想の他地域への拡大
陶産地ショールーム補助 4年間で40ヶ所補助 2千万円 一般財源2千万円
 駅北土地区画整理事業の推進 
 新しい多治見の核をつくる
道路などの整備。
駅前広場、多目的広場整備。
多治見駅の橋上化。
駐車場整備。
多治見の顔としてのまちづくり。
道路整備(幅員19m〜26m)750m。
公園3ヶ所、3600F。
駅前広場4800F。
多目的広場6000F整備。
43.8億円

全体事業費
118億円
一般財源26億円
その他 17.8億円
 中心市街地活性化策の推進 
多治見まちづくり会社の活躍。まちなかに市民サービス機能をもたせる(市民活動支援センター、託児施設など)
商店街振興対策。
中心市街地出店者支援。
TMO事業。
市民活動支援センター運営。
中心市街地出店補助。
TMO委託事業実施。
3億円

市民センター運 営は、次に記載
一般財源1.8億円
その他 1.2億円


つながり(交流・連携)
具体的事業 4年間の目標 4年間の費用 必要なお金
 NPO、ボランティア活動支援策を充実する。 
市民活動支援センターの運営。
ボランティア情報提供。
まちづくり市民活動支援。
センターでコーディネート機能実施。
冊子発行。
市民活動支援10団体程度/年。
7千万円 一般財源7千万円
 スローライフ運動の推進 
スローライフ運動の推進。 道草マップ・作文の募集を行い冊子にしてまとめる。 2千万円 一般財源2千万円
 焼き物産地連携の強化(多治見・土岐・瑞浪・笠原・瀬戸・常滑・四日市) 
東海地区のやきもの産地が連携して情報発信する。 万博目標としたイベントの共同開催(1回)を提起。 1千万円 一般財源1千万円
 伝統的産業都市連携の強化(異業種交流−多治見、瑞浪、高山、美濃、関) 
県下の伝統的産業都市の連携による異業種交流の推進と共同PR。 万博を目標とした 異業種交流イベントの開催(1回)を提起。 1千万円 一般財源1千万円
 国際化、国際交流施策を充実する。
国際化推進計画を策定し、施策の充実を図っていく。 テラホートとの相互派遣(隔年で派遣)。
日本語講座、国際講演会年1回以上開催。
2千万円 一般財源2千万円


 



 
  3.地方分権時代の行政づくり  

(1)行政の改革を進める

以上の施策・事業を進めるためには、行政レベルの一層の向上や市民との協働を一層進めるための行政システムが必要です。そうした行政のしくみをつくるため、「行政 の改革」を進めます。


具体的事業 4年間の目標 4年間の費用 必要なお金
 政策形成能力の向上(新しい独自政策づくり、地域間競争にかつ) 
人事交流職員派遣。
職員の政策形成能力の向上。
国3省への職員派遣。
県との相互交流。
政策形成研修の実施。
1.5億円 一般財源1.5億円
 市民参加のまちづくりをすすめる 
市民アンケートの実施。
地区懇談会実施。
市民参加促進計画。
市民アンケート年1回実施。
地区懇年2回開催。
900万円 一般財源 900万円
 行政の仕事を市民セクターへ 
福祉・教育・国際交流・まちづくりなどの行政の仕事を市民セクターへ移管。 15年度中に、移管可能な具体的業務の洗い出しを行う。 - -
 自治体基本条例をつくる
1.市民参加制度
2.説明責任
3. 市民と行政の協働
4. 市民活動支援
5. オンブズパーソンを定めた条例の制定。
市民と職員による研究会の設置。
条例は、16年12月までに制定する。
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 独自の行政システムの開発・不断の行政改革(量 から質へ)
第4次行政改革大綱(平成15年3月策定)の着実な実施。 平成15年度〜17年度の第4次行革大綱の実施。
職員定数の減など。
第5次行革大綱の制定(平成18年3月を目処)
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(2)合併への取組

  3市1町の合併は、平成17年1月を目標として協議を進めています。今回の合併は、これからの都市経営が今までのような「右肩あがり」ではできなくなってきたことから、大きくなることによるメリットで都市経営をおこなおうという考えです。  しかしながら、合併によって「多治見市がなくなること」は、直接市民の意見を聞くことが 必要と考えています。そのために住民投票を実施します。


具体的事業 4年間の目標 4年間の費用 必要なお金
 市民の意向を汲むための合併の是非を問う「住民投票」を実施する。 
合併に関する説明会の実施(合併協議会が実施)。
合併しなかった場合の将来像を公表。
住民投票の実施。
2市1町への働きかけ、条例内容の検討(国籍要件、年齢要件など)(5月〜)。
説明会(6月頃)。
合併しない場合の将来像の提示(夏頃)。
条例議会提案(9月)。
投票実施(10〜1月)。
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  4.政策実行計画を進めるための財源確保  

 この政策実行計画は、平成15年度から18年度の4年間の任期に実施する施策・事業について掲載していますが、その際に、この費用をどう確保していくのかが大きな問題となります。

 (第4次の行革大綱では、平成15年度から17年度までの3年間で、職員数を減らすことなどに取り組むことしており、平成17年までの3年間で2.1億円程度が、他へ充当可能となる見込みです。)

 私は、行革によって経費を抑制し、新たな施策・事業に振り分けていきます。また、補助金など国県の助成も積極的に活用していきます。

  この政策実行計画に掲げてある事業は、総額が、4年間で約195億円(1年平均で約49億円)となり、一般 財源(税や地方交付税のように、地方自治体が自由に使う事ができる財源)としては、約73億円(1年平均では、約18億円)となります。

  平成15年度におけるこの一般財源の額は、19.5億円でしたので、ここに掲げた施策・事業の実施は可能であると考えており、優先的に取り組むことで政策の実現を目指します。


 



 
  5.政策実行計画の変更について  


 この政策実行計画は、当選した場合の次の4年間で私が取り組む施策・事業をより具体的に示したものですが、今後、以下のような理由から、変更が必要となる場合も考えられます。

(1)3市1町の合併協議が進んでおり、新たな市になった場合に、新市としての事業計画が進められること。

(2)地方交付税制度を含めた国、地方を通 じた財政改革が検討されており、必要となる財源の収支が大きく変わる可能性や社会経済情勢が急激に変化する可能性があること。

これらの理由から、この政策実行計画の変更を余儀なくされる場合は、その都度「説明責任」を果 たしながら、市民の皆さんの理解を求めていきます。