ヌマムツ(写真は婚姻色の出たオス)
(土岐川での大きさ17p)

 以前、土岐川にはほとんど見られなかったが、最近よく見かける。市内の河川では「ヌマムツ」より「カワムツ」がたくさん棲んでいる。見わけ方は「カワムツ」は全部のヒレは黄色、「ヌマムツ」は背ビレ・胸ビレ・腹ビレの先端に赤いスジがあり、尻ビレ・尾ビレだけが黄色。ウロコも「ヌマムツ」は細かい。顔の先端も「カワムツ」に比べ「ヌマムツ」はとがり顔である。体側には、「カワムツ」と同じ太い縦線がある。
モツゴ
(土岐川での大きさ9p)

 多治見では「クチボソ・モロコ」と呼ぶ。池、水路など泥底で流れの緩やかな場所を好み、水質の悪化にも強い。市内の土岐川でも以前は少しは生息していたが、河川整備の影響でほとんど姿を見なくなった。池でも外来種の放流などで「タモロコ」と同様見かけない。黒い側線があり、口は小さく下アゴが出ている。
土岐川のさかな
コイ科・・・アブラハヤ、ウグイ、オイカワ、カマツカ、 ヌマムツ、カワムツ、ギンブナ、ゲンゴロブナ、コイ、
      タモロコ、ニゴイ、モツゴ

ドジョウ科・・・シマドジョウ、ドジョウ

その他のさかな・・・アカザ、アユ、ウナギ、カワヨシノボリ、ドンコ、ナマズ、ニジマス、ネコギギ、
      オオクチバス(ブラックバス)、ブルーギル、メダカ

その他の生物・・・(エビ)スジエビ、ヌマエビ (ザリガニ・カニ)アメリカザリガニ、サワガニ、モクズガニ
      (カメ)イシガメ、クサガメ、ミシシッピーアカミミガメ、ワニガメ

ウグイ
(土岐川での大きさ28p)

 土岐川のウグイは、1980年代前半から確認されている。アユの放流に混じって入ったものか、誰かの放流によるものと思われるが、あまり多くは生息していない。各地では方言の呼び名がたくさんあるが、多治見では棲息確認が浅いため、親しみが薄く、呼び名も「ウグイ」のみである。
カマツカ
(土岐川での大きさ20p)


 多治見では親しみをもって「ドウセン」と呼ぶ。上から見ると黄土色の背中に黒く太いシマ柄があるのですぐにわかる。頭が大きく口が下に付いていて、底のエサが食べやすいようになっている。以前は川底に砂地が広がる場所ではドウセン(カマツカ)が群れをなしていたが、最近は砂地がなくなり数が減っている。
カワムツ(オス、メス)
(土岐川での大きさ17p)

 多治見では「カワムツ」「アカムツ」と呼ぶ。岸に草があり、流れの緩やかな深い場所を好む。現在市内では、支流にたくさんの「カワムツ」が生息している。「オイカワ」との見わけ方は、@顔が丸いA体側に縦に黒い帯があるBウロコがはっきりしているC腹が出ていて少し太めに見えること、でわかる。
ギンブナ/マブナ
(土岐川での大きさ25p)

 川岸のよどみや水田の水路、池など以前はどこにも生息していた。小ブナの群れも数多く見られたが、最近では姿を見ない。雑食性で、ギンブナにはオスがいないという。卵は他の魚の精子でも正常に発生し、オスの遺伝子は受け継がずメスの親がギンブナとなる。これを雌性(しせい)発生という。
ゲンゴロウブナ
(土岐川での大きさ28p)

 釣り人には「ヘラブナ」と呼ばれる。本来琵琶湖原産であり、各地の池に釣り魚として放流され、土岐川でも見られるようになったが、数が少ない。「ギンブナ」と比べて体高が高いのが特徴。「カワチブナ」は「ゲンゴロウブナ」の品種改良で、市内の池にも放流されたことがある。
シマドジョウ
(多治見での大きさ11p)

 多治見では「ムギワラドジョウ」「カンナメドジョウ」と呼ばれる。口に6本のヒゲがある。日本固有種であり、「ドジョウ」と比べ白っぽく、体側に黒い斑点がある。泥底より砂底・砂礫(されき)を好む。現在は土岐川上流や市内の北小木川などに生息するが、市内の土岐川本流で採取されることはまず無い。
ドジョウ *土岐川稀少種
(土岐川での大きさ14p)

 水田、水路、池、川の泥底を好んで生息しているが、土岐川では数は少ない。口ヒゲは5対あり、上唇に3対・下唇に2対ある。産卵期は5〜8月で、オスがメスの体に巻きついて産卵を促す。以前は、小さな水路でも普通に生息していて、子どもたちは学校帰りの「道くさ」で「ドジョウ」捕りをしていた。
アカザ *絶滅危惧U類
(土岐川での大きさ11p)

 多治見では、赤い色をしていて蜂のように刺すことから「アカバチ」、底にいることから「ネバチ」と呼ばれる。底石の隙間などに棲み、夜になると活動して、水生昆虫などを食べる。口の上アゴと下アゴに各2対、合計8本のヒゲがある。ヒレのトゲには毒液を持っていて、刺されるとかなり痛いので十分注意が必要。
日本汽水淡水魚レッドリスト(1999・2)環境省(旧環境庁)
絶滅危惧U類(VU)指定 日本で一属一種の固有種
アユ *放流による
(土岐川での大きさ28p)

 土岐川で泳いでいるアユは全て放流によるもので、天然遡上(そじょう)のものは市内ではまだ確認されていない。縄張りを持つことで他のアユの追い払う、という習性を利用して「友釣り」が有名だが、市内ではなかなか「友釣り」を楽しめないのが現状である。真夏の市内土岐川の水温28℃以上、PH9以上の水質になることが原因のひとつ。
ウナギ
(土岐川での大きさ80p)

 市内の河川にはたくさんの「ウナギ」が生息している。「ウナギ」は不思議な魚で、遠くの赤道近くの海で生まれ、幼生はレプトケファルス(葉形仔魚)と呼ばれる。稚魚になると細長い体形になり「シラスウナギ」と呼ばれ、体が透けている。その後、成長して川の上流を目指して遡上する。そして川で5年以上生活し、産卵のため再び海へ向かい川を下る。
カワヨシノボリ
(土岐川での大きさ5p)

 多治見では「デシャド」「イシャド」と呼ぶ。市内の土岐川では、オイカワについでたくさんいる魚で、支流でもたくさんおり、小さな子どもでも捕まえる事が出来る。胸ビレの下に吸盤があって、底石などにくっついて川底で生活している。一生川で過ごす。
ドンコ *岐阜県準絶滅危惧
(土岐川での大きさ18p)

 多治見では「ブンツ」と呼ばれ、その愛嬌のある姿で親しまれている。夜になると出てきて、近づいた魚を大きな口ですばやく食べる。以前、市内土岐川でも生息していたが、河川環境の悪化とともに姿を消した。最近では、自然団体などの放流努力で、数は少ないが姿が見られるようになった
ナマズ
(土岐川での大きさ65p)

 土岐川には、たくさんのナマズが生息している。夜行性であるため、昼間は深場の石の隙間などに隠れていて、夜になると活動的にエサを捕食する。夜釣りなどでは結構釣れる。土岐川のナマズでは、60pを越えるものも多い。6月中旬からの産卵期には支流に上ることが多く、思わない場所で大きなナマズを見かけて驚かされる。
 1925年6月22日、実業家・赤星鉄馬により芦ノ湖へ87匹放流された。正確には、委託を受けた帝大(現:東京大)水産学科の関係者が、淡水魚実験所があったことの理由で試験放流の場所として選んだ。
 本来「ブラックバス」といえば、「スモールマウスバス」と「ラージマウスバス」の2種類の呼び名である。
オオクチバス *特定外来生物
(土岐川での大きさ32p)

 「バス」「ブラックバス」と呼ぶ。1925年、赤星鉄馬
によりアメリカから神奈川県芦ノ湖へ移入された。知ってもらいたいことは、移入目的は釣りを楽しむためではなかった、ということである。貪欲な食性と習性から生息域を広げ、全国で在来魚に重大な影響を与えている。多治見市でも、在来種が絶滅してしまった池は5〜6ヶ所以上ある。土岐川へは、池の稚魚が農繁期に水路に流され、各支流に入り土岐川への流入が想定される。市内土岐川では、河川整備の影響で全体に流れの浅い浅瀬になってしまったことが、逆に幸いして大繁殖を免れていると言える。
ブルーギル *特定外来生物
(土岐川の大きさ17p)

 1960年にアメリカ・アイオワ州のミシシッピ川で捕獲された個体が、一碧湖(伊豆)に移入された。多治見市内の池・河川にほとんど生息している。雑食性で、水草・甲殻類・さかなの卵・小魚など何でも食べる。「オオクチバス」より「ブルーギル」による食害のほうが、生態系に与えるダメージは大きい。背ビレにトゲがあり、毒はないが刺されると痛い。成魚(23p)になるには時間(5〜6年)かかる。
日本汽水淡水魚レッドリスト(1999・2)環境省(旧環境庁)
絶滅危惧U類(VU)指定
メダカ *絶滅危惧U類
(多治見市での大きさ3.5p)

 日本で一番親しみをもたれているさかな。多治見市内にも2ヶ所の生息地がある。昔から、身近な川の岸辺に群れて泳ぐ小さなさかな(3pくらい)を、市内ではすべて「めだか」と呼んでいるが、これらは正確には「シロハエ」、「カワムツ」の稚魚で、もちろん本当の「メダカ」とは違う。これも「めだか」への親しみだろう。
スジエビ
(多治見市の大きさ4p)

 春に産卵し、1回の産卵数は50個から300個くらいある。雑食性であるが肉食に近く、飼育下では脱皮のとき共喰いをよくする。「ミナミヌマエビ」よりひと回り大きく、透明な体に黒いスジがあるので区別できる。土岐川では、生息数が少ない。
ミナミヌマエビ
(多治見市での大きさ3p)

 寿命は約1年の「ミナミヌマエビ」は日本の「ヌマエビ」類で唯一の大卵型で、淡水で一生を終える。色彩は変異に富み、様々な体色、模様のものがいる。透明のものが一番多いが、褐色・赤・緑・黒色固体のものもいる。付着藻類などを好む草食性で、残餌などにも群がることがある。多治見市内では、10年ほど前には数は少なかったが、最近ではどの河川でも繁殖している。、
アメリカザリガニ
  *要注意外来生物

(原産地:北アメリカ
   大きさ8〜11.5p、赤褐色)

 日本へは昭和2(1927)年5月12日、ウシガエルの餌としてアメリカ・ニューオーリンズから神奈川県鎌倉市岩瀬の養殖施設に約20匹が初めて持ち込まれた。寿命は5〜6年。雑食性で、水草や小魚を食べる。多治見市内の河川、水路、池などいたる所で見られる。
サワガニ
(甲長3p)

 多治見市内の小河川の源流部にふつうに生息している。体の色も赤、青、茶の3型が知られている。卵は、メスの腹部についたままふ化する。家でも簡単に飼育できる。
ニジマス *放流による
(土岐川での大きさ55p)

 「レインボートラウト」という。土岐川で自然繁殖している魚ではない。漁協が行う「マス釣り大会」のマスが残って土岐川に繁殖しているが、産卵は確認されていない。下流で釣りをしていると、突然の引きで驚かされる。日本では1877年以降数回に渡りアメリカから移入されたが、自然繁殖が認められるのは限られた河川のみとなっている。
ニホンイシガメ
(オス13p、メス20p)

 日本固有種のカメ。甲らのうしろがギザギザになっていて、甲らの中央に盛り上がり線が」1本ある。色は黄土色で、首は黒い。以前は土岐川でもよく見かけたが、現在はあまり見かけない。子ガメを「ゼニガメ」と呼ぶ。「アカミミガメ(ミドリガメ)」の放流で、居場所をなくしている。
クサガメ
(オス20p、メス25p)

 「イシガメ」と比べ甲らの色が黒く、3本の盛り上がり線がある。足の付け根から臭いにおいを出すことから「臭いカメ」、「クサガメ」と呼ばれている。顔と首には縁取りのある黄色い曲線や斑紋(はんもん)があるので、「イシガメ」とはすぐに区別できる。
コイ
コイ
(土岐川の大きさ80p)

 口に一対のヒゲがあり、エサを探すときに役立つ。雑食性で何でもよく食べ、非常に丈夫な魚。ノドのところに「咽頭歯」という歯があり、貝類なども砕く。土岐川には80pを超える大物も多い。昭和橋のところからも大きなコイが泳ぐ姿が見られる。産卵の様子も確認できる。30〜80pのコイはたくさん見られるが、稚ゴイが少なくなっている。
ネコギギ

日本の重要淡水魚類レッドリスト(環境省:旧環境庁)
絶滅危惧TB類(EN)*指定
*近い将来、野生での絶滅の危険性が高いもの
ネコギギ *絶滅危惧TB類

 多治見市内での生息は確認されていないが、土岐川上流域は生息する。1977年「国の天然記念物」に指定。レッドデータブックでは「絶滅危惧TB類」に記載されている。伊勢湾、三河湾に流入する河川にしか生息しない。
アブラハヤ
(土岐川での大きさ12p)

 多治見では「アブラッパエ」と呼ばれる。オイカワなどと比べウロコが細かく、油を塗ったようにヌルヌルしていることからその名前も付けられた。体側に黒い帯がある。市内の土岐川では、支流の合流点あたりで稚魚・成魚ともに捕獲されるが、数としては少ない。上流域(瑞浪市周辺)に生息数が多く、そこから流されてきた可能性もある。
ニゴイ
(土岐川での大きさ65p)

 「コイ」に似ているので「ニゴイ」と呼ばれる。2000年前後に数の上ではピークを迎え20〜28pの固体が何百と確認できた。一時、河川整備で姿を消したが、最近数は戻りつつある。12pくらい(ふ化して1年)の時までは、体に黒い斑点があるが、その後消えてピカピカになる。川で「オイカワ」よりはるかに大きな魚がぴかっと光れば「ニゴイ」である。多治見では「川ゴイ」と呼ばれ、群れをなしてエサを食べる。小さな魚やオイカワなどの卵も、ニゴイに食べられてしまう。
ワニガメ *平成15年7月12日発見
(甲長59p)
カミツキガメ科ワニガメ属

 もともと日本にいないカメ。ペットとして飼われていて放たれたもの。「ワニガメ」はアメリカ・フロリダ州からテキサス州にかけてのメキシコ湾に流入する河川の中流域から下流域に生息している、北アメリカ大陸固有種のカメ。舌の上にある細長いミミズ上の肉片をミミズのように動かして魚などを誘い込み捕食する。「ワニガメ」は、淡水産のカメでは最大のカメのひとつで、強力なアゴを持っている。大きなものは、大人の手首をも噛み切ることも可能である。
ミシシッピーアカミミガメ
(オス23p、メス28p)
 
*要注意外来生物
 1950年代後半、北アメリカから輸入されはじめた。甲らは暗緑色で、甲板には黄色・黒・緑色などの模様が入るが、成長とともに鮮やかさは失われ、模様がぼけてくる。オスは黒くなる。顔から首に鮮やかな赤い斑紋が入り、これを耳に見立てて「ミシシッピーアカミミガメ」と呼ばれる。子ガメは「ミドリガメ」と呼ばれ、ペットで飼っていた人も多い。
タモロコ
(土岐川での大きさ10p)


 多治見では「モロコ」という。川の緩やかな流れや水路、池などに生息している。土岐川は河川整備などでタモロコの棲み場が少なくなり、数がかなり減った。また、以前どこの池にもたくさん生息していたが、近年「オオグチバス」「ブルーギル」などの外来種の放流によっても数が減っている。
モクズガニ
(甲長7p)

 3〜5年川で暮らし、秋の出水で河口へ下る。そして産まれた稚ガニは上流へ上る。両方のハサミの先端近くに、丸く「藻」を付けるためこの名前が付いた。土岐川が秋雨による増水のとき、カニたちは流れに乗って旅立つ。最近は市内であまり見かけない。
オイカワ
(土岐川での大きさ15p)

 標準和名を「オイカワ」というが、多治見では「シロハエ」「シロハヨ」「ハエ」などと呼ばれ、婚姻色(5〜9月頃の成魚)のオスは赤・青色を帯び大変美しい。このオスを「ババサ」「ババカ」と呼んでいる。