1/200  航空巡洋艦 最上      製作開始 09−08−15      完成 10−06−23

船体は今までのような板材を貼り合せた「箱」でなく 実艦のように竜骨に肋骨材を固定し外板は2mm厚の桧の細板を貼り合わせました 非常に軽量で 削り屑もほとんど出ませんのでこの方法で船体を製作される方も多いようです
使用した図面は 学研 「最上型重巡」。 縮尺を1/200にパソコンで直して原図にした (昭和19年2月復旧工事完成後のもの 呉海軍工廠造船部) 

5mm厚のシナベニアの板に正面線図(正確な船体を作るには絶対必要な図面)を貼り付ける

1枚ずつ船底の竜骨分の寸法を書き込む

側面板の厚み2mmを引いた線を書き込む (完成時に大きな影響が出るので正確に記入する)

一枚ずつ 糸鋸で切りぬく

参考文献   泉 江三  「軍艦の模型」

竜骨が20mm桧の角棒なので かなり丈夫

図面に従って肋骨材を正確に接着する 位置と直角に注意する必要がある

船体の形状が現れる

船首と船尾のブロック

15mm厚の朴板を接着してブロックを作る(あと5cmくらい長い方が良かった)

船尾ブロックを接着

竜骨と垂直水平を出すため ベニア板で船台を作り この上で作業をする

乾燥後 右舷の固定用の虫ピンを抜いた状態

非常に軽くできるが肋骨材の切りだしの精度がそのまま現れる

船体のねじれを心配したが 竜骨が太いためか まったく心配なかった



撮影  09-9-10 

3mm厚のアガチス材で甲板を貼る  

側板は2mmしか厚みがないので大きな 削り込み は不可能

肋骨材の切りだし精度が非常に重要

船体がほぼ完成

サフェーサーを吹いた

高角砲 のシールドを0.3mm厚のプラ板で製作中   

木型を作って虫ピンで止める
 
接着剤はラッカーシンナー  完全に乾くまで 丸1日 掛かる

後部飛行甲板は 「赤城」 と同じように ねじれ を防ぐため 0.5mm厚のアルミ板を使った

写真は飛行甲板の裏側の構造材を工作したところ


撮影 09−9−23

1/200「利根」「那智」の間に置いて見た

白い部分が プラ板で作った部品 市販のパーツはまったく使用せず すべて手作り

3連装魚雷発射管は直径3mmのアルミパイプ  発射管を内部に収めるため甲板に穴をあける

艦載機の製作  船尾から 3座水偵、95式水偵、零式観測機、強風、紫雲、一番手前が 晴嵐 の つもり (当時の「最上」に搭載されていない機体もある) 

飛行甲板の飛行機搬送用軌条レールを支える「脚」は0.5mm厚のプラ板を1mm四方に切って0.5mmの穴をあけたものを一個ずつ接着   「 スリップ止め」は紙の裏側から ドライバーを加工した手作り工具でひとつずつ押し出して製作した

艦橋、煙突部分を作業台に置いて細部を製作  白色部分はプラ板  艦橋背面の形状が図面からは 読めない

リノリュウム甲板を塗装した (ウッドブラウン50%  サンデーブラウン50%)   
リノリュウム押さえは 「矢矧」 と同じ工法で製作 (ピカピカで派手だがこれまでの工作方法でもっとも信頼性が高い) 

09年12月の状態 ここまで約4ヶ月の製作期間 

艦載機を製作  飛行機は少しのミスでプロポーションが変わってしまい工作が難しい

水平尾翼の「偏流測定線」は筆書きでは難しいので 「デカール」を自作して貼りつけた

デカールの自作 : ポリエチレンフィルムに 昔、製図に使った烏口(カラスグチ)で「線」を引き(塗料Mr.COLOR 溶剤 ラッカーシンナー)完全に乾燥しないうちに ピンセットで引きはがす 塗料の濃度調整が難しいが  半乾きで「ネバリ」が少ない場合はクリアーを加えると良い

飛行機の材料は朴材 またはアガチス材  

日章(日の丸)の白線の縁取りは烏口コンパスを使う

連装高角砲の間で三座水偵用の金星43型エンジンを調整中(推定)??




撮影 10−6−23

模型の手摺支柱は0.2mmの黄銅線を使用した (かなり接近しても見えないくらい)

「手摺支柱」には区切りに使うステイの付いた支柱 と 中間部に使う支柱 の違いがある 

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マストの両端から下がる三角錐は「速力標」(スピードマーク)で この位置で 「半速」を表している  (航行中なら舷梯を降ろしているのは間違い?!!)

21号電波探信儀は6型  エレメントは4列3段

「ボートダビット」はラジアル型でグライピングバーの無いタイプと推定して製作

カッターの「短艇艦名板]の寸法は細かく規定されている 模型では白地に黒文字で表現したが 実艦の「艦名板」は 外板と同色、文字は白色、艦名はカタカナで左右両舷とも向って右から左に書く

後部マストに見える舵柄(だへい)信号

舵柄(だへい)信号 の表示位置説明は こちら

左舷標識板(赤色の角型)と右舷標識板(緑色の円形)が同じ高さなので直進を示している

尾信号灯」は後続艦に作戦内容を知らせるもので十字形に配置され 左右は「緑」 上から 「緑」、「赤」、「白色」、「赤」の灯火。

色と数の組み合わせで速力,運動、砲戦、魚雷戦などの指令をした

艦尾信号灯 の 表示位置説明は こちら

撮影 10−06−23

上記の「信号」を指示する信号書は暗号書と共に極秘とされていた(当時の信号書の本物は残っていないという)

スピードマークは赤い網で作られた円錐状のもので前檣ヤード両端に取り付けられ それぞれの位置関係でスピードを示す

           たとえば35kt艦の場合
微速
原速(経済速度) 14kt
強速        18kt
第一戦速      22kt
第二戦速      26kt
第三戦速      28kt
第四戦速      30kt
第五戦速      32kt
最大戦速      34kt
一杯      個艦ごとの最大速力
           連合艦隊誌 6号43p より抜粋

速度標(スピードマーク) の表示位置説明は こちら

昭和15年の観艦式終了後は艦名は消され カッターも数字の記号(○番隊△番艦)にして 艦名表示を廃止した